当館では、上野誠とケーテ・コルヴィッツの作品を常設展示しています。
上野誠(1909~1980)は長野市川中島生まれの版画家です。
昭和13年(1938年)、ドイツの版画家ケーテ・コルヴィッツを知り、共感。弱者を愛し、戦争を憎んだことで二人は共通しています。
上野誠は東京美術学校(現東京芸大)に入学して、学内民主化運動に関わり退学になりました。
その後、信州に帰り北信濃で版画を学び、上京し、東京、鹿児島、岐阜で美術教師をしながら終戦を迎えました。
戦後、新潟県六日町で玩具デザインの仕事をしますが、以後東京近郊で版画家としての仕事に専念し、1980年に70歳で一生を終えました。
上野誠の仕事は原水爆禁止を訴える作品、平和を願う作品が多いことが特徴ですが、働く人や女性・子どもを描いた作品にも優れたものが多数あります。
ケーテ・コルヴィッツの作品も常設展示しています。
ケーテ・シュミット・コルヴィッツ(ドイツ語: Käthe Schmidt Kollwitz, 1867年~1945年)は、ドイツの版画家、彫刻家です。
周囲にいた貧しい人々の生活や労働を描いたほか、母として・女性としての苦闘を数多くの作品に残しました。
ドイツ帝国、ヴァイマル共和国、ナチス・ドイツという揺れ動く時代を生きた、20世紀前半のドイツを代表する芸術家の一人です。